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イギリス/大学院留学/LSE/Social Policy

貧困ってなんだー!(弐)

今日床屋さんで客と美容師がピザ食ってたよ! Σ(゚∀゚*)
お客さんの方は顔にシェービングクリームガンガンついてたよ! Σ(゚∀゚*)(゚∀゚*)
一人気持ち悪くニヤニヤしちゃったよ!ちよわかまるだよ!


今日は、啓発度がグイ~ンと上がる話ですよ。貧困。
記念すべき第1回はAgencyとStructureという視点で原因を考えたわけで。重い腰を上げて奇跡的に継続した第2回は、Ruth Listerさんが書いたPoverty (2004)という本をもとに話します。数ある貧困についての本のなかで、Listerさんが面白いなと思ったのは、人と人の関係性の中で貧困というのを考えてるからです。

“How the more powerful ‘non-poor’ construct ‘the poor’ as Other” [and] “how ‘the poor’ are ‘Othered’ through language and images” (2004: 100)


貧困なんてのはどこぞの貧困なんぞ知りもしない金持ちが勝手に名づけたもので、自分とは違う「他者」として定義づけた。「貧しい人を助けたい!」は、自分とは異なる貧しい人を助けたい、つまり「裕福な自分ー貧しいあなた」という構図のなかの発想ともいえる。ListerさんはOtherにingをくっつけて"Othering"と表現してます。なんか、今日はしょっぱなから啓発度が高いね!もう少し掘り下げるよい。

Otheringの要素①:ステレオタイプ
社会のなかのあるグループを「○○な人たち」とひとくくりにして文化的・社会的なあんまりよくないイメージを人工的につくる。ものすごい簡単に言えば、移民。移民→貧しい人たち→移民は全員自分たちと異なる「邪魔者」

Othering要素②:スティグマ
スティグマはもっとシステマチックな意味合いを持っているみたいです。たとえばですね、生活保護の申請を通して援助するに「値する人」と「値しない人」を区別する。「値しない人」はぞんざいに扱われる。スティグマは、福祉制度を通してお前はOtherだ!とハンコを押すってかんじですかね。

Othering要素③:自分を位置付ける
上の二つでOtheringすることで、自分たち(Us)の存在を肯定する。自分たちには権利がある。でもそれ以外のOtherは名乗ることを否定され、社会問題の根源として指摘される。
さらに、貧困(poverty)という言葉自体に含まれる否定的な意味合いが故に、「貧しい人」は、何もできない受け身な存在として見られます。そして厄介なことに、本人もそう思ってしまう。貧しいことは恥ずかしい、自分は社会のお荷物だと。「貧しい人」という他の人からの視線や判断が、自分を肯定する感情(self-esteem, self-respect)を奪っていく。


ここからはぼくのどうでもいい妄想なので、気持ち悪くなりそうで読めない人は画面右上の×または左上の赤いボタンを押して退室してくださいね。

ひねくれちよわかまるは「貧しい人を助けたい」をこう解釈できます。
自分とは異なる邪魔者で、全員同じ性質を持った「貧しい人」を助けることで、自分という存在を確認したい。
そう、ドロッドロの善意です(笑)
ボランティア活動している人たちが、勝手に問題を作り上げて再生産し続けることって多分にある。そんなところに学校を建てる必要があるかー?そんなに一から十まで支援しなきゃならんのかい?どこか自分とは違う世界にいる「困っている人」という幻想を作り上げ、自分は弱者を救っているというヒーロイズムに酔っている。

なーんてね。言うまでもないですが、全員が全員そうだなんて全然思いません。でも、ぼくも含めて、福祉や社会政策にかかわると少なからずこういう矛盾というか難しさがありますって話。Listerさんはそれを自覚しながら書いている、というのがすごい。

“the very act of writing about people in poverty-even as subjects and actors-from a position of affluence, is, at one level, an act of objectification of a group that already suffer excessive objectification and scrutiny.” (2004: 125)
(貧しい人々のことをこうして分析して語ること自体、豊かな自分と貧しい彼らという線引きを行っていることに他ならないのである)


とまあこんなかんじでね。けっこう鋭い視点から書いてみたよ。
終わったーーーヾ(*´∀`*)ノ


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