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フリーター、イギリスへ行く

イギリス/大学院留学/LSE/Social Policy

貧困ってなんだー!(参)

こんにちは、ちよわかまるです。テスト試験なのにぜんぜん集中できない。やる気でない。アニメ見ちゃう。もーだめだ。きっと終わりだ。そんなこんなで貧困の話をして気持ちを盛り上げていきたいよーってことで。

第1回では何が貧困の原因か第2回では裕福な私と貧しいあなたの構図、を話しました。そして、今日は「定義」と「測定」の話をがっつりやりたいと思います。いやあ、こんな愚痴とおしゃべりメインのブログにはやや荷が重いですね~。網羅できないけどやってみます。

定義において、ながくなが~く議論の中心となっているのはAbsoluteRelativeの二つの考え方です。日本語で、絶対的な貧困相対的な貧困です。
はいもうムリーってなるよね。いや、でも待って!説明するから!もうちょい読んでえええ!
ゴリゴリ掘り下げる前に注意点がございます。まず一つ、「定義」と「測定」は別物。意味を決めるのと実際に何人いるか測るのは、関連していますが違います。もう一つは、現実での貧困は、絶対的と相対的の二つにくっきり分けられないカオス状態であるってこと。これらを折りたたんでリュックに入れたら、出発準備完了です。


まず、そもそも「Absolute:絶対的」って何よ?というかんじです。とりあえず絶対的貧困における、貧困の定義を見てみる。

lacking sufficient subsistence to meet basic physical needs
(基本的な身体的ニーズを満たすために必要な最低限の資源がないよ)

つまり、一人の人間の生存に絶対に必要なもの(主に衣食住)があるだろう、そしてそれがないんだぞってことです。1900年頃にBoothさん、Rowntreeさんといったイギリスの研究者たちが考え出しました。Rowntreeさんは、一週間の生活における必需品(weekly basket of the goods)がまかなえない状態を貧困(primary poverty)と定義しました。
この定義に基づいて、1日1ドルとか、最低生活費っていう測定方法が出てくるわけです。日本の生活保護では20代男性・東京在住だと月13万くらいです。これ以下で生活している人は「貧しい」となります。
絶対に必要なものが欠けている、これね!これポイント!!

でも、思いますよね。そんなもん時代によって変わるじゃん。Rowntreeさんたちの1900年の話と今の情報社会時代を一緒にされたら困るわけ。それに文化によっても変わるよね。あたしらにゃ米が必要です、おれらはこの固いパンだぜ、みたいに。


そこで登場。Relative poverty。相対的貧困。略してリラ貧。
これは1980年頃にTownsendさんというイギリス人が言い出します。

‘Individuals, families and groups in the population can be said to be in poverty when they lack the resources to ontain the types of diet, participate in the activities and have the living conditions and amenities which are customary ... in societies to which they belong(1979: 31).
(食べ物を得たり、社会活動に参加したり、その社会で当たり前になっている生活基準を満たしたりするのに必要な資源がないのが貧困だよ)

後半部分に注目!まず「参加」という要素。たとえば国連の貧困の定義には、市民生活・社会生活・文化的な生活のなかで意思決定に参加できないという要素が入っています。

もう一つの新要素は、「比較」ですね。とき(昔と今)、ところ(ルワンダと日本)、おとなりさん(ホームレスの山田さんとぼく)などなど、何かと比べて今のこの状態はどうかという点です。Adam Smithさんが分かりやすく説明してくれています。

‘A linen shirt, for example, is strictly speaking not a necessity of life… But in the present time… a creditable day labourer would be ashamed to appear in public without a linen shirt’ (1776).
(リネンシャツは別に絶対必要じゃないけど、現代のサラリーマンとして着てないと恥ずかしいよねー)

で、リネンシャツじゃなくてお金で測定したのが、相対的貧困率というやつですね。国民を収入の低い方から高い方へ順番に並べていきます。その中央値の半分の数値以下の人が「貧しい」になります(計算方法知りたいという勉強オタクはコチラ)。たとえば、厚労省によると1985年は108万円以下、2012年は122万円以下が「貧しい」となります。

疑問に思いますよね。え、じゃあ貧しい人って一生いなくなんないじゃん。そう、そこがカオスポイント!!絶対的貧困なんてありえない、文化や時代によって異なるじゃんってがんばって相対的貧困というアイディアにたどり着いた。でも、どんなに豊かな社会になっても国民の収入を比べっこしてる限り貧困は論理的になくならない。はい、どんづまりー。

いやいや落ち着け、収入で測るからそうなるんだよ。ってことで、国連は収入以外の指標を使った Multidimensional Poverty Indicator(MPI:多面的な貧困指標)を考えちゃいました。詳しい定義はコチラ、具体的な測定方法はコチラの8ページへ。
このMPIはけっこうおもしろいですよ。資源へのアクセスや参加という相対的な視点を残しつつお金以外の方法で測ろうとがんばっている。


はい以上!
がんばりました!ウィキペディアより分かりやすく簡潔に説明できたよね!きっと!
しかし、一言に貧困って言っても思ったより複雑ですよねー。面白いけどフクザツ。
次回、貧困と社会的排除に続く(といいな)。。。


【参考文献】
Alcock, P. (2006). Understanding Poverty. Bristol: The Policy Press.
Lister, R. (2004). Poverty. Cambridge: Polity Press.
厚生労働省(2013)「国民生活基礎調査」


とっても申し訳ないのですが、当ブログに書いてある内容によって生じた問題などについて、書いている人は何一つ責任を果たせません。
寛大な御心とご自身の判断力をもってお読みいただければ幸いです。